海外就職に「骨を埋める覚悟」なんて要らない

海外就職に「骨を埋める覚悟」なんていらない

先日、ベトナムへの海外就職を検討している30代男性から、こんな相談を受けました。

「親しい友人にベトナム行くことを相談したんですが、『骨を埋める覚悟が無いなら、行くべきじゃない』と説得されたんです。。実際そんな覚悟、必要なんでしょうか?」

この「骨を埋める覚悟」という言葉、海外就職の面接時にもちょいちょい出てくるんですよね。

 ベトナムで勤務していた3年位前には、内定を出していた候補者に「ベトナムに骨を埋める覚悟ができない」という理由で、採用を辞退された経験もあります。

さて、海外就職をするためには、骨を埋める覚悟が必要なんでしょうか?

ぼくは全く必要ないと考えています。

理由は2つ。

1.そもそも海外就職は、相手国から「骨を埋める覚悟」なんて求められていない

2.一つの国や会社に身を捧げるのはリスクが高い

それでは、見ていきましょう。

海外就職は「骨を埋める覚悟」を求められていない

「骨を埋める」とは、「そこで一生を終える」とか「ある事に一生を捧げる」ということ。

海外就職は、「その土地で一生を終える」ことを前提にするものなんでしょうか?

外国で暮らすためには、当然ビザ(滞在査証)が必要になります。

その土地に滞在可能な期間は、ビザの種類によって厳密に規定されています。

海外就職で取得できるビザはというと、一時的な滞在しか許されていない場合がほとんどなんです。

ベトナムとタイの海外就職で取得するビザをみてみましょう。

ベトナム

1.労働許可証(Work Permit
2.一時在留許可証(Temporary Residence Card

1.」はベトナムでの就労の許可。「2.」は入国と滞在の許可なのですが、許可されるのはその名の通りTemporary(一時的)な滞在です。

タイ

1.就労ビザ(Non Immigrant/Business Visa
2.労働許可証(Work Permit

1.」は「Non Immigrant移住者ではない」と定義されています。

ビザの定義では「移住者=永住者」です。永住のためには別の「永住ビザ」が必要になります。

文字通り「永遠に住む」ことが許されたビザです。取得すると、就労の自由、社会保障の享受、無制限の出入国などが可能になります。同時に、兵役の義務が課せられる場合もあります。

そういった面からも、永住ビザ取得の際は「骨を埋める覚悟」が問われると言っていいでしょう。

ところが海外就職では、本人が「そこで一生を終える」つもりでも、その国は許可を出してくれません。帰国する前提の一時滞在の許可のみです。
※労働許可証の更新を1年や2年毎に繰り返すことで滞在を延長します

つまり海外就職では、そもそも相手国から「骨を埋める覚悟」なんて求められていないということです。

日本を捨てる覚悟も要らない

もちろん、海外へ出る際に「日本を捨てる覚悟」も必要ありません

「海外で働く」イコール「日本を捨てる」みなたいなことを言う人がいますが、これは完全な誤解です。

ijuusha

海外就職は、仕事のために海外に一時的に引っ越しするだけです。「海外転出届」を出せば、一時的に日本国内に住所は無くなりますが、それが日本を捨てたことになるのでしょうか?

九州から東京に引っ越して、九州に住所が無くなった人は、九州を捨てた人なんですかね?

海外に住んでいても、国民年金に加入し続けることは可能ですし(任意加入制度)、国政選挙なら、在外選挙制度があるので現地からも投票可能です。

当然ですが、日本国籍が無くなるわけでもありません。いつでも日本へ戻ればいいんです。

一カ所にすべてを捧げるのはリスク

ビザの条件はともかく、「一生を捧げるつもりで働く」とか「10年くらい腰を据えて現地で働く」という意味で「骨を埋める覚悟」という言葉を使う人もいるでしょう。

ただ、明確な目的があるならともかく、日本独特の「関わるからには人生の全てを捧げるべき」という世界観に縛られてるのだとしたら、良く無いと思うんです。

すべてを捧げることで、所属する集団に利益を保証してもらえる。

終身雇用制度が成立している社会であれば、それで良かったのかもしれません。

海外では多くの企業は成果主義である以上、全てを捧げ忠誠を誓っても、いつクビになるか分からないし、会社が無くなることも十分あり得ます。

自分の力ではどうにもならない、マクロ経済や地域的要因に翻弄されることだって考えられます。

そう考えると、海外で一カ所にすべてを捧げるような生き方って、すごくリスキーなんじゃないかと思うんです。

骨を埋めるかどうかは、後から考えればいい

ホーチミンの風景

もちろん、絶対骨を埋める覚悟なんてするな、と言っているわけではありません。

海外に行く前からそんな覚悟する必要は無いと言いたいんです。

実際に海外で生活してみると、様々な日本人と出会うことになります。

永住権を取得していたり、現地に配偶者がいたりと、本当の意味で「骨を埋める覚悟」が完了している人もたくさんいます。

日本に帰りたくても難しい事情があり、埋めざるを得ない人もいます。

そういった人たちとの交流も含め、まずは一度現地の生活にどっぷり浸かってから、検討すれば良いテーマだとぼくは思います。

住んでみないと分からないことはたくさんあります。住んで半年も経てば、当初の考えとは変ってますよ、きっと。

さいごに

いくら意気込んで海外に出たとしても、1年先の未来ですら予測しづらい時代です。

土地や会社に身を捧げるのではなく、どこへでも身軽に動けるような状態を目指す方がいいんじゃないかと思うんです。

それでは!

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