海外現地採用の場合、年金ってどうしたらいいの?

年金ってどうしたらいいの?

海外で現地採用として働く場合「年金をどうしたらいいのか」という疑問があるかと思います。

大前提として、現地採用の従業員に「保険・年金」を払う現地企業はほぼ存在しません

じゃあどうすればいいのか。

今回は、現地採用を検討する人たちの疑問「年金どうする?」についてお話しします。

 現地企業は払ってくれない

現地採用の従業員に現地企業が「保険・年金」を支払わない理由は、それらが日本の社会保障制度によるものだからです。

ここでいう「保険・年金」とは、日本で会社に勤務する人が加入する社会保険厚生年金のこと。

現地採用で勤務する企業は、当然のことながら現地の法制度に則り運営されているので日本の制度は適用されません。

なので現地採用の人は、海外旅行保険あるいは民間の医療保険に加入することになり、多くの場合その費用は企業が負担しています。

年金はというと、厚生年金は支払われないのだから、加入義務のある国民年金を支払わなきゃいけないと考える人が大半でしょうが、実はちょっと違うんです。

 国民年金の加入条件とは?

日本の公的年金3種類あって、それぞれ加入条件が異なります。

 

1. 国民年金→日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人

2.厚生年金→厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人

3.共済年金→公務員・私立学校教職員など

参考:公的年金の種類と加入する制度 | 日本年金機構

 

現地採用で働く場合は、先ほどお話しした通り「2.」は対象にならず「3.」でもありません。 

「1.」の国民年金はというと、「日本国内に住む」ことが加入条件となっているので、海外に住む場合は強制加入の対象外になるんです。言い方を変えると、海外在住となった時点で被保険者の資格を喪失することになります。

海外在住の現地採用の人は年金を払わなくてOKなんです。

海外転出届を出す=海外在住

注意しなければいけないのが、出国前の住所の市区町村役所に海外転出届を出して初めて海外在住扱いになるということ。

海外に住んだからといって、海外転出届け提出していなければ国民年金の強制加入義務は無くなりません。

ちなみに海外転出届は出国予定日の2週間前から受け付けてもらえます。

 年金を払わない期間はどうカウントされるの?

では、海外在住中が国民年金を払っていない期間はどのように扱われるんでしょうか。未納扱いになるんでしょうか。

年金受給資格をゲットするには、20歳~60歳までの間で25年間保険料を支払う必要があったはず。ということは、例えば20歳から10年間海外で暮らしたら、日本に戻った後その25年間払うってことなのんでしょうか。

実はそうではなくて、海外在住期間は「カラ期間(合算対象期間)」として受給資格に加算されるんです。

例えば、こういった経歴の人がいたとします。

大学卒業後、
→日本で会社勤務(3年)
→海外現地採用(5年)
→帰国後、日本で自営(1年)

で、この場合どうカウントするかというと… 

カラ期間合算グラフ

納付済期間6年+カラ期間5年=11年
受給資格取得まで、残り14年

日本で国民年金を6年しか収めていないので、あと19年の支払いが必要かというとそうではなく、そこから海外在住のカラ期間5年を引いた14年支払えば受給資格を取得できるんです。

ただし、実際に支払ってはいないので年金額の計算には加算されません。25年はあくまで受給資格を得るための期間なので、カラ期間があると受取額は減ってしまいます

また、万が一カラ期間中に障がい者になってしまったら、障害年金の請求が出来ない等のデメリットもあります。

補足:年金の受給資格期間は、平成29年4月より25年→10年へ短縮することが決まっています

ちゃんと満額もらいたい人はどうする?

では「やっぱり老後は不安だし、ちゃんと満額もらいたい!」という人はどうすればいいかというと、海外在住者は国民年金に「任意」で加入できるので、海外からでも口座引き落とし等で支払うことができます。

■任意加入制度
海外在住でも住んでいても保険料を払える制度
1.日本国内にいる親族等が代わりに納める
2.日本国内に開設している口座から引き落とす

こちらも、出国前の住所の市区町村役所で手続き可能です。

加入する・しないは、どう判断する?

実際に現地採用で働いている人はどうしているかというと、任意加入している人もいれば、していない人もいます。ぼくは任意加入していなかったので、カラ期間がおよそ9年。満額はもらえません。

加入者・非加入者のどちらが多いかはわかりませんが、人がどうしているかはあまり関係ないですよね。

結局は、その人の資産、収入、立場、将来の計画、価値観等から判断するしかありません。

払える余裕があれば払っておいた方がいいとは思いますが、給与が低く捻出するのが厳しい人も少なくないはず。

たとえ高給を得ていても「年金なんかに頼るのではなく、貯金や投資に回したほうがいい」と考える人や「将来は現地に永住する予定だから関係ない」と加入しない人もいるでしょう。

2030代の若い世代の人であれば「4-50年後の未来なんて予測できるわけないんだから、自己投資に回して目の前のことに取り組む」とか「老人になる頃にはベーシックインカムが導入されてるだろうから、その未来に賭ける」なんて理由で加入しない考えもあるかもしれません。

いずれにせよ、年金制度は自分への積み立てではなく今生活している高齢者等を支える制度という点は、ちゃんと認識しておく必要があるでしょう。カラ期間9年のぼくが言うのもなんですけどね。

さいごに

海外へ出ると年金加入は義務ではなく選択肢になります。メリット・デメリットを比較して判断してもらえればと思います。

どうしても年金のことが気になって大きな不安を抱えてしまう人や、福利厚生にこだわる人は現地採用はやめておいだ方がいいでしょうね。

それでは!

補足:「カラ期間(合算対象期間)」のことを「免除」と表現しているサイトがあったりするんですが、正しくないので注意してくださいね。国民年金の支払い「免除」は、「保険料を納めることが経済的に難しいとき」の措置です

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