誰もが同じ道を辿る? 知っておいて損はない「海外適応の5段階」

海外適応の5段階

海外就職や留学、海外インターンシップなどで海外生活を検討する場合、ちゃんと海外に適応できるのか不安な方もいると思います。

そこで今回は、海外生活への適応段階について考えてみます。

どのような心境の変化が訪れるのか傾向を知っておくことは、海外生活の準備をする上でとてもプラスになるんじゃないかと思います。

 

海外適応の5段階

医学博士の故・稲村博氏の著書「日本人の海外不適応」によると、海外への適応には次の5つの段階があるようです。

①移住期②不満期③諦観期④適応期⑤望郷期

世界各地に住む日本人を調査して周った稲村氏によると、誰もが同じような経過を辿るとのこと。

30年以上前の古い本に書かれた法則ではありますが、ぼく自身の実感と比べても一致する部分が多いと感じました。

※ちなみに、この本はすでに絶版となっているため現在は中古でしか入手できません。

それでは、ぼくの実感と周囲の人々を見てきた経験を踏まえ、一つずつ見ていきましょう。

 

①移住期

・何もかもが新しく、生活を整えるためバタバタし無我夢中の時期。
・渡航後2週間〜1か月位

渡航当初は無我夢中のため、ストレスを自覚する余裕もなくただ忙しく時間が過ぎていくことが多いでしょう。

観光旅行のような高揚感を感じながらの生活する人も少なくないでしょう。

確かに、ぼくも上海への渡航当初は常に気が張っていて興奮状態だったと記憶しています。

好奇心が勝っていたためかストレスや不安を感じることはあまりなかったように思います。

 

②不満期

・バタバタの準備段階が落ち着きひと息つける一方で、現地の嫌な面が目に付き不満が溜まりだす時期
・3週目〜3ヶ月目位

ぼくの場合、緊張状態から解放され、現地の生活にとりあえず「慣れた」と感じたのは生活開始3週目くらいだったでしょうか。

同時に、中国人のふるまいや周囲の環境に対して「」や「イライラ」が多くなったのも確かにこの時期です。

この時期は、傾向としてメンタル不調や体の調子を崩しやすいので注意が必要なようです。実際この時期に予定を早めて帰国してしまう留学生が、国籍問わず数名いました。

僕はこの時期、周囲に同じ境遇の留学生仲間がたくさんいて遊ぶ機会が多かったためか、それほどストレスはなかったと記憶しています。

不満期がおとずれたら、不満を共有できる日本人や外国人と接する機会を多く持つよう心がけると良さそうです。

 

③諦観期

・現地の悪いところにも慣れ、あるがままを受け入れる時期
・3ヶ月〜1年目位

嫌な面も受け入れざるを得ないという「諦め」の状態ですね。

不便な面や相手の態度に、行動面でも気持ちの面でもうまく対応できるようになる時期とも言えるでしょう。

また、その国の嫌な面を受け入れることで、日本を客観視できるようになったのもこの時期だったような気がします。

渡航後1年くらいで日本に一時帰国した時は、日本の良さをすごく感じました。特にコンビニがパラダイスでしたね。

この「諦観期」までくれば次の「適応期」まであと一歩です。

ところが稲村氏の著書によると、「諦観期」と「不満期」の間を往復するループにはまってしまう日本人が多いとのこと。

やはり他国の環境や理屈を受け入れるのは、言うほど簡単なことではないのでしょう。

 

④適応期

・現地に溶け込み、無理なく海外生活を送れるようになる時期
・2〜3年目位

ここまでたどり着けない人もいますし、何年で適応できるかは人それぞれで幅があると思いますが、3年位住んでいる人は概ね適応できていたように感じます。

ぼくが適応したと実感したのは、一時帰国を終え現地に戻った時に「帰ってきたー」という気分になった時でしょうか。

現地がホームであるという実感。

一番充実感があったのはこの頃かもしれません。

 

④望郷期

・一度適応しても何かのきっかけで帰国願望が湧き上がってくる時期
・2〜3年目以降

確かに僕も在住3年目に、一度本帰国を考えた時がありました。

振り返ってみると、現地生活が日常になり真新しい体験がなくなることや、「海外経験」を得られた達成感、これ以上いると日本へ適応できるかといった不安などが原因にあったのかもしれません。

実際に3年位をめどに帰国をした知人も少なくありません。

強い望郷の念に駆られそこから逃れられない場合は、一時帰国することで対処すると良いと稲村氏は述べています。

そうすることで、日本への適応にストレスを感じ、現地の方が良いという気持ちに切り替わる効果もあるとのこと。

 

不満期をどう乗り切るかがカギ

海外生活に適応し充実した生活を送るためには「②不満期」をどう乗り切るかがポイントになります。

不満期のストレスにどう対応すれば良いのでしょうか。

 

ストレスは次のように構成されていると言われています。

①ストレス源(ストレッサー)→②認知→③ストレス反応

 

これを不満期の人の状態で考えるとこのようになります。

①「現地の環境」がストレス源→②「日本と比べ不便だ不合理だ」という認知→③「イライラする、疲れる」というストレス反応

 

なので、これら①〜③それぞれに対処していく必要があります。

 

「①」への対処法はストレス源を取り除くことなのですが、環境を変えることはできないので自らが離れる、つまり一時帰国でしょう。

「②」に対処するとうことは、すなわち受け入れるということでしょうから、これができると次の「諦観期」へ移行できます。

ただすぐに認知を変えるのはとても難しいので時間が必要です。

「③」への対処法は疲れを取り除いたり発散するといった方法です。

振り返ってみると、ぼくは同じストレスを抱える仲間同士で夜な夜な遊びに行くという方法で、自然に発散していたと思います。

 

このように考えると、うまく発散しながら可能なら一時帰国をし、徐々に認知を変えていく(=受け入れていく)方法が有効なのではないでしょうか。

働いていると一時帰国は現実的には難しいですけどね。なので企業側は「不満期」に合わせた休暇や調整の制度を用意できれば理想かなと思います。

 

さいごに

程度の差こそあれ「不満期」は誰にでも訪れるもののようですので、あらかじめそれを知っておくということが重要です。

それを乗り越えると適応に向かうということも併せて知っておく必要があるでしょう。

自分の心境がどのように変化するか知っておけば、様々な面での準備が事前にできるはず。

充実した海外生活を送るためにも、この「適応の5段階」は覚えておいて損はなさそうです。

それでは。

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