【キャリア論】海外就職という「キャリア」を考える上で大切な視点

海外就職のキャリア論01

「何のために海外で働くの?」

この質問に対する答えで最も多いの回答の一つが「キャリアアップのため」というもの。

他に「プライベートを充実させたい」「海外で暮らしてみたい」という回答も少なくありません。

これら海外で働く理由に対し、賛成意見もあれば反対意見もあるのですが、どちらかというと否定的な意見が多いように感じます。

「海外就職はキャリアアップにならないからやめておけ」

「海外で暮らすことを目的とするとキャリアにならない

これって本当なんでしょうか?だとしたら海外就職はしないほうがいいのか?

今回は、海外就職という「キャリア」を考える上で、ぼくが大切だと思う視点についてお話ししようと思います。

海外就職はキャリアアップできない?

確かに、海外経験は日本の就職市場であまり評価されない傾向にあり、場合によってはネガティブな印象を与えてしまうことも事実です。

また、ほとんどの場合日本に比べて給与はダウンしてします。

そういう意味では、キャリアアップに繋がりにくいと言えるかもしれません。

じゃあやっぱり海外就職はやめておいたほうがいいんでしょうか?

キャリア=生き方

ところで、これまで「キャリアアップ」という言葉を何度か使ってきましたが、そもそもキャリアアップとは何なのか。

多くの場合、「キャリア」という言葉は「職歴や職業」という意味で使われています。

そのため「キャリアアップ」とは「職務経歴や待遇のアップ」と考えられています。

よくある「海外就職でキャリアアップできるかどうか?」という問いは「海外就職で職歴や待遇はアップするのか?」とほぼ同義です。

でも、本来キャリアって「生き方」そのもののことなんですよね。このことは様々なキャリア論でも指摘されています。

ここで言う「生き方」とは、職業や仕事に限らない様々な役割や活動の組み合わせ方。

つまり、キャリアを考えるということは「仕事や職業」について考えるだけでなく、「どういう生き方をしたいのか」あるいは「どういう生活を手に入れたいのか」を考えることなんです。

特に海外で暮らす場合は生き方や生活が大きく変化するので、このキャリアに対する視点はとても重要になってきます。

そう考えると海外就職は、キャリアアップ(=職歴アップ)できるかどうかだけで検討すべきではない、と言えそうです。

「どういう生活をしたいのか」を明確にする

というわけで、海外就職を考える場合まずは、①「どういう生活(生き方)をしたいのか」をできるかぎり明確にする。

その上で、②「海外就職をすることで、その生活は手に入るのか」を考える。

こういった順番で検討する必要があると思います。

では、どうすれば希望の生活(生き方)明確にできるのでしょうか。

ここからは、その具体的な方法の一つを紹介します。

人には複数の役割や活動がある

まずは生活を構成する役割や活動について見ていきましょう。

いろいろな考え方があると思いますが、ざっくり以下の6つに分けることができそうです。

  • 職業人
  • 学生
  • 余暇
  • 家族
  • 市民・コミュニティ
  • その他

要は、生活には職業や仕事以外にも「家族内での役割や活動」「余暇の活動」「コミュニティ活動」などが含まれるということです。

図にするとこんな感じです。

ライフロール

ここで重要なのは、最初からどの役割が重要かは決まっていないという点です。

現在の生活について考えてみる

次に、「現在の生活」で自分がどの役割にどれだけ時間を費やしているか考えてみます。

例えば、日本で働いている山田さん(男性26歳)がいたとします。

山田さんの生活をチャートにすると…

ライフロール・現在の生活

かなり職業人(仕事)に比重を置いた生活を送っていることがわかります。

自分がしたい生活を考えてみる

次に、今後どんな生活や生き方をしてみたいかという視点でチャートを作ってみます。

山田さんの「希望の生活」はこんな感じになりました。

ライフロール・希望の生活

「職業人」に割いていた時間の多くが「余暇」「コミュニティ」「学生」に振り分けられています。

つまり山田さんは、「プライベートを充実させ新しいことを学びたい」んですよね。

そういう生活や生き方を望んでいることがわかりました。

ちなみに「希望の生活」をチャートにする上で大事なのは、時間には限りがあるという点。

つまり、最初に描いた「現在の生活」のチャートより面積を大きくできないということです。

どうやったら希望が叶うか考えてみる

「プライベートを充実させ新しいことを学ぶという」生活は、どうやったら手に入るのか。

無数の選択肢が考えられると思いますが、海外就職はその選択肢の一つでしょう。

一般的に海外の労働環境は、日本のようなサービス残業は少なく余暇の時間を取りやすい。

全く新しい現地コミュニティで生活すれば学びは多くあり、語学を学ぶにも最適。

ただ一方で、山田さんが望む生活は、海外就職でなくても手に入れられるとも考えられます。

プライベートを充実させる働き方は日本でも実現可能でしょうし、新しいコミュニティへの参加や学びの機会だって無数にあるはず。

また、山田さんは「希望の生活」チャートで「家族」の割合を増やしていましたが、海外で暮らすとそれは難しいでしょう。

このように、「どういう生活(生き方)をしたいのか」を明確にすることで、より具体的に海外就職を検討できるようになります。

また、目的を見失わないための手助けにもなるんじゃないでしょうか。

さいごに

海外就職を考えるときには、職業人としての経歴(キャリアアップ)だけではなく、「生き方」としてのキャリアという視点が大切です。

仕事以外の役割や活動によってもキャリアは形成されるわけです。

生きていく上での様々な役割や活動の中から重要なものを選び、組み合わせてみる。

海外就職は、そうやってできた理想の生き方を叶えるための手段であるとも言えるでしょう。

ちなみに今回話した内容は、米国のキャリア研究家ドナルド・E・スーパー(Donald E Super)の理論をベースにしています。

それでは!

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