最近よく目にする、海外在住者が語る「日本すげー」論に感じる問題点

海外在住者の「日本すげー」論に注意

「日本すげー!」

「日本ちょー便利!」

「海外に住んでみると日本の凄さがよくわかる!」

こういった話題が、海外在住者から提供される機会が多くなったように感じます。

日本の良さが理解出来ることは、海外就職などで海外に住むメリットであるとは思います。

ところが、海外在住者がよく語っている「日本の凄いところ」が、実は日本社会を疲弊させている原因になってたりするんですよね。でも、その点に言及している記事等が少ないように感じます。

なのでこの手の「日本すげー」論は、注意して見る必要があると思うんですよ。

海外在住者の一時帰国あるある

先日ネット上で、海外在住者が一時帰国時に感じる日本のよさが「一時帰国あるある」として紹介されていました。

日本はやっぱりスゴイ! 海外在住者が一時帰国で感じる日本の良さ28選 | Pouch

紹介されていたのはフランス在住者が感じるフランスとの比較なんですが、フランスに限らずアジアやその他の国に住んでいる日本人も同様に感じる内容だと思います。内容は以下の通り。

・良質なものが安い
・コンビニの便利さに泣く
・100円ショップのラインナップに驚く
・ゲームセンターやカラオケなど娯楽施設の充実ぶりにワクワク
・どこのスーパーでも魚の鮮度がよい
・黒ずんだマグロの切り身は見かけない
・スーパーの陳列棚がスカスカしていない
・お店の棚には常に商品が並んでいる
・開封済みのお菓子や食品が陳列棚に並んでいることはない
・24時間営業の店が多い
・日曜・祝日に店が開いている
・お昼時の12〜14時に店が閉まっていることはまずない
・買い物をすると特に頼まなくても丁寧に包装してくれる
・お客様は神様扱い
・特に飲食店でのお客様の扱いが丁寧
・飲食店で席に座ると、必ずウェットタオルやお手拭きの用意がある
・電話やお店などの対応がとても丁寧
・電車がオンタイム
・ストライキが滅多にない
・公共のトイレがきれい、臭わない
・デパートのトイレがきれいすぎて住みたくなるレベル
・道に犬のフンが落ちていない
・勤務中におしゃべりに花を咲かせている人が少ない
・勤務中に突然歌い出したり、踊りながら仕事をしている人がいない
・路上に「喫煙所」があるため、受動喫煙の心配が少ない
・ホームレスの人にしつこく物乞いされることがない
・ひとりで歩いていても声をかけられる心配がない
・良い意味で日本人は他人との距離感を大切にする
日本はやっぱりスゴイ! 海外在住者が一時帰国で感じる日本の良さ28選 | Pouch

どうでしょう?

ほとんどが日本の「質の高いサービス」に対する評価ですよね。

確かにぼくも一時帰国時には同じようなことを感じていました。コンビニでめちゃテンション上がってましたね。「日本のコンビニすげー!」「品揃えサイコー!」「店員さんめちゃ丁寧ー!」って。

でもですよ、コンビニに限らず「24時間営業の店が多い」とか「日曜・祝日に店が開いている」ってことは、深夜でも休日祝日でも働くのが当たり前な環境になってしまっているわけです。

ぼくが住んでいた中国でもベトナムでも、夜10時過ぎにやってる店なんて一部のローカル食堂くらいでした。最近は中国でも24時間営業のコンビニも増えてますが、店員のおばちゃん普通に寝てたりしますからね(笑)

日本の「丁寧な包装」も「丁寧な接客」も「きれいなトイレ」もおそらく世界最高峰の水準でしょう。

でも従業員はその世界最高峰のサービスを、当たり前のように要求されるんですから大変です。

「お客様は神様」という考え方は素晴らしいと思うんですが、お客様のニーズを最優先にすることで、従業員のニーズ後回しになりすぎちゃってる感じがするんですよね。

「ストライキが滅多にない」というのも、それを従業員が黙って受け入れざるを得ない環境になっちゃてる表れとも考えられます。

日本はパラダイス?

日本はパラダイス?

本来サービスの「売り手」と「買い手」は対等なはず。だからフランス等のヨーロッパ諸国でも中国でもアメリカでも、従業員は「お客様は神様」みたいな対応は基本的にしないわけです。神様扱いしてほしいならチップをよこせ。もしくはそういう店に行けと。

より良いサービスは、彼らにとってはあくまでオプション。今の日本ではいつの間にかデフォルトになっちゃてます。

だから海外で生活してみて初めて「あ、日本みたいなサービスって当たり前じゃなかったんだ」と気づくんですよね。

住んでいるときには気づかなかった。ジュ・テーム日本、あなたはパラダイスです。
日本はやっぱりスゴイ! 海外在住者が一時帰国で感じる日本の良さ28選 | Pouch

海外在住者が日本のサービスの良さに気づいて「日本すげー!」とか「日本はパラダイス」とかいう気持ちは分かります。

でもパラダイスなサービスは、しんどい労働環境やライフスタイルに支えられているんですよね。

そういった日本のしんどい労働環境に嫌気がさして海外へ出た海外在住者は少なくないでしょう(ぼくもそうでした)。彼らにとっては、海外の余裕のあるライフスタイルや労働環境が実はパラダイスだったりするわけです。

 「サービス」と「労働環境」はリンクしている

質の高いサービスを受けられる代わりに労働環境がきつい日本のような国もあれば、サービスが最悪な分、余裕のある労働環境で働ける国もある。つまり、「顧客サービス」と「労働環境」はリンクしています。

だから、「顧客サービス」側だけの視点で「日本すげー」とかって語られても片手落ちな感じがします。海外就職を検討する人にとっても参考になりにくいんじゃないでしょうか。

海外に住んでいる人は、日本と海外それぞれの国の良し悪しを体験しているはず。それならばちゃんとその良し悪しを語って欲しいと、欲張りなぼくは感じてしまいます。

海外在住者の語る「日本すげー」論を見て、「やっぱり日本は凄いんだ」「よし明日から頑張ろう」といった具合に思考停止しないように気をつけたいですね。

さいごに

「顧客サービス」と「労働環境」のバランスはどうあるべきか。身をもって経験している海外在住者にはその考えをもっと発信してほしいなと、自戒を込めてそう思ってます。

それでは!

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