日本人は内向き志向? 総合人材サービス会社ランスタッドの意識調査

日本人は内向き志向?ランスタッド意識調査

総合人材サービス会社のランスタッドが、「海外で働くこと」に関する労働者意識調査を実施しました。

【ランスタッド・ワークモニター】海外に比べ日本の働き手の内向き志向が顕著に | ランスタッド

この調査で、日本は世界と比べ「海外勤務」や「異文化の集う職場」で働く意欲が低いことが分かり、ランスタッドは「内向き志向が顕著」と結論付けています。

こういった「日本人内向き志向論」は最近よく耳にするんですが、今回は「なぜ内向きなのか」の理由と「じゃあどうしたらいいの?」について考えてみたいと思います。

調査結果

まずは調査結果の一部をざっと見てみましょう。

Q.海外で働くことに関心がある
グローバル平均→52.9%
日本→33.3%

Q.海外出張の機会がある仕事に就きたい
グローバル平均→57.0%
日本→32.3%(34エリア中最下位

Q.様々な国籍/文化をバックグラウンドに持つ同僚と働きたい
グローバル平均→75.2%
日本→40.2%(34エリア中最下位

最下位ばかりですね。。「海外」や「外国人」に接する機会を求めないことを「内向き」というのならば、確かにそうだと言えそうです。ではなぜ「内向き」なんでしょうか。

歴史的背景による経験の違い

ひとつは、日本人の「経験」によると考えられます。

(出典)【ランスタッド・ワークモニター】海外に比べ日本の働き手の内向き志向が顕著に

この「Q.様々な国籍/文化をバックグラウンドに持つ同僚と働きたい」の調査結果の、極端に割合の低い下位3か国(ハンガリー、チェコ、日本)にはある共通点があるんですよね。

これら3か国には長い間、外国人という存在がほとんどいなかったんです。

歴史的に見て、様々なバックグラウンドを持つ人々と共存した経験が少ないんですよね。

チェコはチェコ人が約90%、ハンガリーはマジャル人が95%。

こういった背景から他国の国民に比べ、異なる文化や異民族に対して警戒心や不安を抱く傾向にあると考えられます。

ちなみに、チェコとハンガリーはEUの中でも移民・難民の受け入れに消極的です。

EU難民分担を賛成多数で決定、チェコなど東欧4カ国反対 | ロイター

海外へ出るインセンティブが無い

もちろん、日本人が「内向き」なのは外国人との接触に慣れていないことだけが、その理由ではないでしょう。

(出典)【ランスタッド・ワークモニター】海外に比べ日本の働き手の内向き志向が顕著に

こちらは「Q.海外出張の機会がある仕事に就きたい」の調査結果。トップのメキシコが87%なのに対し、日本は32.3%と最下位。

上位の国は、「開発途上国(メキシコ、インド、トルコ、ブラジル…)」もしくは「失業率が高い国(イタリア、ギリシャ、スペイン)」であることが分かります。

これらの国が「海外志向」なのは、海外で働くインセンティブ(動機づけ)が強いと考えられます。彼らにとって、海外へ出ることは経済的な豊かさを手に入れる大きなチェンスになり得ます。

また、メキシコやインドといった開発途上国には近年外国企業の進出が相次いでいるので、海外と関わる機会自体が急増していることも「海外志向」の理由の一つではないでしょうか。

一方、すでに成熟して失業率の低い日本では、現時点で多くの人にとって海外で働くインセンティブがないんですよね。

もちろん今後日本が、海外で働く事がメリットになる経済状況になる可能性も大いにありますが。 

国内で働き続けることがスタンダードになっている

海外で働くインセンティブが無いのと同時に、「国内で働き続けること」がスタンダードであることも「内向き」の要因なんじゃ無いかと思います。

新卒で起業家やフリーランスになる人も増えているとはいえ、なんだかんだで「大学卒業後すぐに国内企業に就職し、なるべく一所で経験を積む」といった働き方がスタンダードで、それ以外はイレギュラーであると認識されているんですよね。

また、「一所で経験を積む」と述べたとおり、キャリアの連続性が重視されます。

なので海外で働くことはイレギュラーと見なされ、キャリアの連続性も保たれないので復帰が困難です。

そのため、海外で働くことを検討する場合は、強いモチベーションと規範から外れる理由や覚悟を求める必要が生じ、一層決断を難しくさせてしまいます。

これじゃ「内向き」にならざるを得ませんよね。

つまり、日本で良しとされている働き方のモデルが、内向き志向を生み出しているんじゃないかということです。

それでも海外志向の人は結構いる

いくつかの要因が重なって内向き志向な日本人。

ただ、見逃してはいけないのが、この手の「海外で働きたいか?」という調査ではだいたい3040%の日本人は「関心がある」と答えてるということ。今回のランスタッドの調査もそうでした。

(出典)【ランスタッド・ワークモニター】海外に比べ日本の働き手の内向き志向が顕著に

他の国に比べると割合は低いんですが、日本人の3人に1人は程度の差こそあれ「外向き」志向なんですよね。

単純に計算すると、日本の雇用者5,313万人の30%で1,584万人。若年層(1534歳)に限定しても、1,542人の30%で463万人が海外に関心があると考えられます。

(参考資料)労働力調査  平成28年  3月分 (2016年4月28日公表)| 総務省統計局

結構な数字ですよね。

であれば不特定多数の働き手に対し「内向き」だからもっと「海外に目を向けよ!」「グローバル人材になろう!」と唱えることよりもまず、すでに外向きな人々がチャレンジしやすい環境を成り立たせていく必要があるんじゃないでしょうか。

また、すでに外に出ている人たちもの評価についても同時に考えていく必要もあるでしょう。

さいごに

というわけで、ぼくも海外に関心がある人のサポートや海外へ出て行った人の評価について、あれこれ考えていければと思います。

それでは!

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