【キャリア論】海外就職にはキャリアプランなんていらない?

【キャリア論】海外就職にはキャリアプランなんていらない?

日本での就職や転職と違い、前例やロールモデルの少ない海外就職。

だからこそ、海外就職をする場合はミッションやビジョンが必要で、明確な目標や計画を立てなければならない。

つまり「キャリアプラン」をきちんと決めなくてはならなくて、それがないと海外就職を進めてはいけないし、失敗してしまう。

そう考えている人も少なくないでしょう。

実際に海外就職支援サービスが発信する情報などでも、同様のことは多く語られています。

でもそれって本当なんでしょうか?

今回は、明確な「キャリアプラン」や目標が決まっていなくても、海外就職をしてOKなんじゃないかという話をしようと思います。

 

未来は予測不可能

現代のような複雑で変化の早い時代では、はっきり言って数年先の未来なんて予測不可能です。

特に経済成長中のアジア諸国で働くならなおさらでしょう。

例えば、ぼくが中国とベトナムで暮らしていた約10年間にも様々な変化がありました。

リーマンショック、急速な円高、反日デモを発端にした中国離れ、ベトナムに進出する日系企業の増加…

現地の市場やライフスタイルの変化、それに伴う企業の方針や日本人に求められるスキルの変化。

細かいところでは、ビザの規定も何度も変わりました。

そして何より、実際に働く経験や人との出会いによる自身の心境の変化

このような環境下では、目標や計画を設定したところで、果たしてその通りに進めることはできるのしょうか?

日本で考えたキャリアプランに拘ることって、ちょっと非現実的だと思うんです。

 

予測不可能な未来へのアプローチ方法

複雑で予測不可能な今の時代に、ましてや海外へ出るのだから、キャリアプランを立てたところでうまく行きそうにない。

じゃあ、どうすればいいのか。目標や計画が決まっていない状態で海外へ出ちゃって大丈夫なのか。キャリアを築いていくことはできるのか。

アプローチの手がかりになる考え方を一つご紹介します。

 

計画された偶発性理論

それは、スタンフォード大学のJ.D.クランボルツ教授(教育学・心理学)によって提唱された計画された偶発性(Happenstance Approach)という理論です。

理論をざっくりまとめるとこんな感じです。

 

①個人のキャリアの8割は、予期せぬ偶発的なことによって決定されている事実がある

②その偶発的なことは、活用し力に変えることができる

③だから偶発的なことを意図的に生み出し、より良いキャリアを作っていこう

 

」にあるように、そもそも計画通りにキャリアを積み上げた人なんてほとんどいないんです。

イチロー選手のように、子供の頃から「一流のプロ野球選手になる」という目標を立てて、計画的に日々邁進して目標を叶えるなんて人はごく僅か。

多くの人の場合、環境の変化予期せぬ人との出会いなどの偶然に左右されながらキャリアは作られていきます。

みなさんも振り返ってみると思い当たる節がありますよね?

だったら、それら予期せぬ出来事を「好機」と捉えて、キャリアを広げるために活用すればいいんじゃないか。そういう発想です。

さらに、その予期せぬ出来事を待つだけでなく引き寄せようというのがこの理論の最大のポイントです。

 

予期せぬ出来事どう引き寄せるか?

では、どうやって予期せぬ出来事を引き寄せればいいのか。

そのためには、5つの態度が重要であると、クランボルツ教授は述べています。

①好奇心(Curiosity)
②持続すること(Persistence)
③柔軟でいること(Flexibility)
④楽観的に考える(Optimism)
⑤冒険心(Risk Taking)

要するに、「行動し続けましょう」ということ。

「今」にフォーカスして行動し続けることで、より良いキャリアを築くためのチャンスが多く引き寄せられるという考え方です。

 

キャリアプランがなくても前に進める

予期せぬ出来事を活用するという心構えで「今」にフォーカスして行動し続ける。そうすることでより良いキャリアが築かれていく。

こういったスタンスであれば、未来のイメージを描けていなかったとしても前へ進めそうな気がしませんか?

決まっていない状態は悪いことではなく、むしろ歓迎すべきことだと捉えることができるかもしれません。

もちろん、キャリアプランを立てる必要がないかというと、そういう訳ではありません。

明確な目標や計画もまた、前へ進む力になります。

ただそれに拘ってしまうと、チャンスに変わるかもしれない予期せぬ出来事を見逃してしまうこともあるでしょう。

海外生活は予期せぬ出来事だらけです。

であれば、それを「好機」と捉える考え方は、とりわけ予測不能な「海外就職」に対する有効なアプローチ方法なんじゃないかと思うんです。

 

ホリエモンも同じ考え?

ここまで「計画された偶発性理論」について話してきましたが、いまいちピンとこない方もいるでしょう。

そんな方のために、この理論に近い考え方をしている人を紹介するとすれば、ホリエモン(堀江貴文さん)でしょうか。

有名な近畿大学卒業式でのスピーチで、次のようなことを言っています。

インターネットでブログやら、ソーシャルネットワークやら、そこで毎日発信し続ければいい。

これから生きて行くうえで大事なことは、僕は目先のことに集中することだと思う。長期計画なんか関係ないですよ。

未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ。

すでに内容をご存知の方もいるでしょうし、詳しくは動画をご覧になっていただければと思いますが、ホリエモンは「今」にフォーカスすることや、情報を発信し続けることが大切だと述べています。

クランボルツ教授の考えを知っているかわかりませんが、共通する点が多いように感じます。(刑務所で過ごした2年の間に1000冊読書したようなので、もしかしたらクランボルツ教授の著書を手に取っている可能性もありますが…)

 

さいごに

ぼく自身、当初は「1年くらいで日本に帰る計画」で上海へ渡りました。語学留学でしたので、働くつもりもありませんでした。

ところがそれに拘らず、好奇心に従って海外で働くことを模索した結果、10年間のキャリアを海外で築くことになりました。

振り返ってみると、自分に起きた転機のほとんどは予期せぬ出来事がきっかけだったと思います。

もちろん、ぼくのキャリアの築き方が正解だったかどうかはわかりませんが、自分自身のキャリアに対し納得してることは確かです。

今回ご紹介した理論をベースに行動すれば、必ずしもうまくいくという訳ではないでしょう。結構「マインド」寄りの「本人次第」な部分の多い考え方だと思いますし。

ただ、「やっぱり合理的にキャリアプランを立てたい」という人にとっても、あくまで「心構え」や「一つの視点」として持っておいて損はないと思います。

 

■今回参考にしたクランボルツ教授の著書はこちら

 

それでは!

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